2010年12月02日

【レポート】東海CS2010秋(11/21)

「チャンピオンシップ」を冠する遊戯王の非公認大会。
地域ナンバーワンを決める場であるとともに、友人同士の対戦や店舗大会とは違う楽しさを得られる「お祭り」でもあります。
その舞台裏に存在するのは運営者の努力です。参加者を驚かせる遊び心と、経験に裏打ちされた綿密な運営計画によって、イベントは作り上げられています。
今回、自分が参加させて頂いた「東海チャンピオンシップ2010 秋季大会」について、運営面を中心としたレポートを投稿致します。
全国的にCSは増加傾向にあるものの、参加人数の制限や地域間距離の問題もあり、大会ごとの良い部分を活かしあうのは難しいのが現状です。
不慣れな試みではありますが、少しでも大会運営者の参考になる部分がありましたら幸いです。
そして、CSへの参加経験がない方にも興味を持ってもらえたらと思います。

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1,

まずは「遊び心」に当たる部分です。
その象徴として筆頭に挙がるのは「1チームに同名カードは3枚まで」という、東海CSチーム戦では恒例のオリジナル制限。
独自制限は、それに合わせたデッキを作る手間のために敬遠されがちな傾向があります。
多様なデッキの使用を促しつつ、プレイヤーの面倒を少なく済ませられるという点で、調度良いラインの制度であると思います。
事実、定員を大きく越える75チームもの参加応募を集め、急遽32→46チームに枠を増やして対応していました。

会場設営にも、遺憾なく発揮されています。
音響戦士.JPG

持ち込みの音響設備。
大会開始までや休憩中などの空き時間にBGMを流していました。
選曲作業もスタッフの楽しみの一つ。

受付嬢.JPG

受付嬢。とかく女っ気の薄いイベントに華を添えます。
喋ります。

ついて来れるか.JPG

壁面の飾り付けに『Tetsu Champion Ship』のポスター。
Tetsuさんとの縁と運営の方々の御好意があり、今回自分が宣伝を行わせて頂きました。
お芝居で他劇団のチラシが配られるような感覚で、こういった大会同士の連携は広がって欲しいと思います。

ほか、オリジナルアイテムやサブイベントについても後述します。


次に、運営体制についてです。

今回の東海CS運営陣は、
主催およびヘッドジャッジ、冬狼さん
ジャッジとして、ふにふにさん・黒帽子さん・Akikiさん
補助スタッフの、赤帽子さん・アルクさん・KSKさん
以上の合計7名です。
「人数は多い方だと思います」と、スタッフの方自身がお話されていましたが、注目すべきは『全員が専属スタッフである』(プレイヤーとの兼業がいない)という事。
総じて、余裕のある運営体制となっていました。
いくら大会自体が快適に進行していても、業務に忙殺されている姿は参加者目線で快いものではありませんが、そのような様子も見受けられず、支障が出ない範囲でプレイヤーとの雑談も楽しんでいました。

試合の合間、空席の椅子の並びを整えているスタッフの姿が印象的でした。
こういった細やかな心遣いも、運営体制にゆとりがある故、そしてスタッフ経験の深さ故だと思います。

また、例年に比べて応募チームが多かった今回の東海CS。
急遽定員の増加を行ったため、2部屋に分割しての開催となりました。
マイク2本を使用して両部屋同時にアナウンス放送を行い、試合の開始宣言などで部屋毎にずれが出ないよう配慮がなされていました。
会場風景.jpg




2,

『押し』とは、予定時刻よりも進行が遅れた状況のこと。イベント事では日常茶飯事と言っていいでしょう。
しかし、東海CSはまさかの『捲き』。時間を繰り上げて進行していました。

大会前の予定スケジュールは以下のような感じです。

受付09:30−10:30
開会式10:40−11:00
予選スイス1回戦11:00−11:40
予選スイス2回戦11:55−12:35
お昼休み12:35−13:30
予選スイス3回戦13:30−14:10
予選スイス4回戦14:25−15:05
予選スイス5回戦15:20−16:00
予選スイス6回戦16:15−16:55
準決勝17:15−17:55
決勝戦・3位決定戦18:10−18:50
表彰式・閉会式・解散19:10−20:30


実際はというと……


受付09:30−10:30
予選スイス1回戦10:40−11:35
予選スイス2回戦11:40−12:35
お昼休み12:35−12:50
予選スイス3回戦12:50−13:45
予選スイス4回戦13:50−14:45
予選スイス5回戦14:50−15:45
予選スイス6回戦15:50−16:45
準決勝17:00−17:55
決勝戦・3位決定戦18:00−19:10
表彰式・閉会式・解散19:10−20:30


およそですが、このような進行でした。
予選スイスドロー6回戦という非常な長丁場、決勝戦までほぼ滞りなく消化できています。
大別して3つの理由が挙げられます。

まずは、開会式の撤廃・(参加者の決を取った上で)昼休みの大幅短縮など、直接時間を作る行動。
もう一つは、運営体制に盛り込まれた遅延防止策です。
大会フォーマットには「予選において、エキストラデュエル及びサドンデスは行わない」「サレンダー可能」というフロアルールが設けられており、エキストラターン突入後には改めてアナウンスでその旨を告示していました。
公式ルールとは異なるので、是非は意見が分かれる所であると思いますが、一参加者としては試合間で過度に待たされる事がなかったため、無駄な疲労を感じずにプレイ出来ました。

そして、ふにふにさんに執筆して頂いた「CS運営に関するお話」でも取り上げられていた、対戦表の貼り出し。
「混雑しますので、確認はチームから1人のみお願いします」といったアナウンスもありました。

同じく言及があった、ホワイトボードの利用について。
白板.JPG

大会の注意事項や卓配置など、「不変の情報」はボードを見れば全てわかるようにまとめられています。
卓番号と席順は、テーブル上に貼られた紙にも示されており、着席位置に迷うことはありませんでした。

結果報告にはこんな用紙が。
スコア.JPG

「チーム成績」「代表者の署名」「ドロップするか否か」の3点のみプレイヤーが書き入れ、受付へ提出します。記入量も確認の手間も少なく済んで効率的です。
もちろん、印刷用プリンターの持ち込みも行っていました。


時間の削減は、効率的なスタッフワークの賜物でもあります。
先述したスタッフの多さが最も活かされていたのはジャッジングです。
試合中、最低2人は部屋に常駐。「ジャッジお願いします」の声に迅速に対応していました。
判断し切れない質問はすぐさまヘッドジャッジへ確認。ときにはOCG事務局に電話しての対応も取っていました。

一般的な公認大会等では行われないことですが、試合の残り時間も頻繁にアナウンスが。
決勝トーナメント突入後は、卓の傍らに40分タイマーを設置。残り時間10分・5分でアラームが鳴るようにセットされていました。

また、準決勝・決勝では、予選突破チームのデッキ回収とチェックを実施。
総じて、盤外でプレイヤーを煩わせないスタッフワークが東海CSの良い所だと思います。

スタッフといえば「主催者」は、他のスタッフとは一線を画す役割を持っています。
冬狼さんは「大会の顔」として、司会進行を務めていました。
インタビュー.jpg

見事予選を突破したチームのメンバーに、冬狼さんからインタビュー。
まだ決勝ラウンドを控えているプレイヤー達に「使用デッキは?」と執拗に尋ねていました。(笑)


大会の評価は、参加プレイヤーの名誉に還元されます。
予選ラウンドでは、注目度の高いプレイヤー同士の対戦が「フィーチャーマッチテーブル」と呼ばれる特別卓で行われていました。
フィーチャー.jpg

11年の運営実績を持ち、全国的に名高い東海CS。今年度の頂点となる決勝戦は、前年度優勝チーム『チャリ連合』と『アンサイクラーと仲間達』の対戦です。
シュンさんの【六武衆】がチャリオットさんの【旋風BF】を破り、an・anさんがキャンちゃんさんとの【デブリダンディ】のミラー戦を制して1勝1敗。
残り1試合、シャリンさんとみるくてぃーさんの試合に全てがかかる状況でエキストラターン突入。
ジャッジへのルール確認も含みつつではあるものの、エキストラターンのみで実に20分近い思考時間を使うシャリンさん。
みるくてぃーさんも「この場面なら俺だってそのくらい考えますよ」と寛容な対応。
結果は御存知の通り。シャリンさんがみるくてぃーさんを下し、『チャリ連合』が前人未到のチーム戦連覇を成し遂げました。

撮影会.jpg

優勝者の撮影会は東海CS恒例なんだとか。

優勝チームには、米版StarStrike Blastを3Box+Vジャンプ特製プレイマット3組。
更に今回、サプライズ賞の『チームMVP』が、優勝チーム内で随一の勝率を誇ったプレイヤーに贈られました。
総合成績は見事7-0、決勝戦でも素晴らしい読みを見せたシャリンさんが、STORM OF RAGNALOKのボックスを獲得しました。



3,

特筆すべきは優勝賞品だけではありません。
東海CSで見かけたオリジナルアイテムを紹介します。

メモ帳.JPG

参加賞として配られたライフ計算用メモ帳です。
1ページで1マッチが記録できる便利仕様。東海地区の公認大会でも利用者を見かけます。
東海CSの参加費は一人あたり500円と破格の安さですが、この参加賞だけでも充分元が取れてしまいそうです。
ほか、春の個人戦では、優勝賞品としてオリジナルのプレイマットが贈られているんだとか。

スタッフ章.JPG

スタイリッシュなスタッフ章。
役職でデザインが少しずつ違います。参加の際にはぜひ注目してみて下さい。

オリジナルといえば、東海組はホームページのデザインも印象的です。
魔法陣を中心に置いたロゴマークはメモ帳にも採用され、大会お馴染みの要素となりました。
メモ帳やホームページなど、これらオリジナルアイテムは、すべて黒帽子さんの手によるデザインです。

参加賞としてパックやカードを貰うのも嬉しいものですが、オリジナルの記念品は遠征プレイヤーの良い思い出になりそうです。さながらご当地土産のような感覚。
同じく東海地方で今年8月末に行われた「愛知チャンピオンシップ」でも、独自のライフ計算用メモ帳が配られたそうです。
市販物を賞品とするのに比べれば手間はかかりますが、こういったクリエイティブな作業はスタッフとしてもやりがいを感じられるのではないでしょうか。

冬狼さんの「東海CSは、常に新しいことをやり続けていく」という言葉が印象的でした。
非公認大会の老舗でありながら、先駆者としての矜持を忘れない態度。他地域のCSも負けじと追随して欲しいと思います。
「次はポスターとかペナントとか……」なんて案も漏れ聞こえました。来年度に期待です。

来春に開催されるであろう、個人戦の第15回大会。
魅力を感じた方は、是非エントリーしてみては如何でしょうか。



おまけに、本戦とは別のお楽しみ。サブイベントの紹介です。
サブイベントといえば、ガンスリンガー大会やサブトーナメントなど、やはりデュエルが絡むものが一般的ですが、今回の東海CSは肩の力を抜いて楽しめるものばかり。
それでいて「この為に大会時間詰めて進行したんじゃないか?」と感じるほど力の入った企画がなされていました。
冬狼さんの「俺達の東海CSがこんな所で終わるわけがない!」というタイムリーな台詞とともに始まったのは……

ざわざわ.JPG

予選終了後、おもむろに用意される麻雀卓。実に本格的です。
「麻雀CS」と称される、恒例の自由参加での麻雀大会。通称「麻雀CS」です。

ビンゴ大会です。
ビンゴ.jpg

《ミラクル・フュージョン》米レリのような高額カードから、静岡特産の安倍川餅やうなぎパイまで。
密かにビンゴカードを手にしていたスタッフが、見事番号を揃えて賞品を貰ってしまうハプニングも。
「それが東海CS」だそうです。(笑)

続けて行われた、じゃんけん大会。
「謎のプレイマット」という触れ込みの賞品は《冥府の使者ゴーズ》がプリントされた海外の公式グッズ。かなりの高額アイテムです。

フレーバー.JPG

最後にご紹介するのは「東海フレーバーCS」。
オリジナルのフレーバーテキストを考えてみよう!という企画です。
一例として「冬狼賞」に選ばれた作品がこちら。↓

《カラクリ屋敷》
カラクリ兵 弐参六「あんなに丸見えの罠じゃ誰も入ってきませんよ?」
カラクリ参謀 弐四八「それが狙いなんだよ」


思わずニヤついてしまう秀作。EXTRA PACK Vol.3のボックスが賞品として贈られました。
Magic:The Gatheringには、心に残る秀逸なフレーバーテキストも多数存在しますが、遊戯王ではあまり覚えがありません。
カードはステータスだけで成り立っているわけではなく、イラストや名前にも目を向けさせてくれるという意味で面白い試みです。



4,

以上、僭越ながら、東海CSの模様をお伝えしました。
わずか500円の参加費で終日楽しむことができる、またとない貴重なイベント。あまり情報が流れない試合以外の雰囲気、開催に懸ける運営者の熱意を少しでも感じて頂けたでしょうか。
ただ、一点だけ勿体ないと感じた事を挙げるなら、参加者のノリがあまり良くなかった所です。
上位入賞チームへの拍手もまばらで、冬狼さんのインタビューもそれほど耳を傾けられていなかったようです。そういった時間中でもフリープレイに勤しむプレイヤーは散見されました。
大赤字を出してまでイベントを開く運営者。その喜びは、参加者が一丸となって楽しむ姿であると思います。
それに、自分が上位入賞したときは、やはり拍手があった方が嬉しいのではないでしょうか。
イベントという場は、スタッフのみで作るのではなく、プレイヤーだって重要な構成員です。
楽しませようと全力を尽くすスタッフに、プレイヤーも同じ心持ち―――イベントを楽しもうという態度で応えれば、もっと雰囲気の良い場になっていくはずです。

一参加者の自分にレポートの機会を下さった東海組の方々、当日に交流して頂いたプレイヤーの皆様に感謝の気持ちを込めて、お礼に代えさせて頂きます。



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文章:Ford
参考:東海組
【特集】CS運営に関するお話
【宣伝】東海チャンピオンシップ
【結果】東海CS2010秋(11/21)

(よろしければ、ご意見・ご感想を「duelentrance.ford☆gmail.com(☆→@)」までお寄せ下さい)
posted by Ford at 00:56 | TrackBack(0) | 文献 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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